昔からよく気が狂ってるとか頭がおかしいとか言われてきた。
もちろん自分ではそんなつもりはまったくない。
いや、「狂ってる」っていうのは比較の問題ではあるから、
ある考えがあって、それが「まとも」だっていう見方からすれば
その反対側にあるのは「狂ってる」ってことになるわけやし
それは実際そうなのかもしれない。
小さい頃から「こうしなさい」と言われたことができなかった。
行為のどうこうでなく、「なんで?」ってことが自分で納得できない
理解できないことができなかった。
ただのワガママ、確かにそうかも。
ポリシーともいうのかもしれないし、多数側の意見と対立しちゃったら
はみ出し者ってことになるし、
はみ出した状況が重なったら反社会的な存在にもなる。
逆にうまいことかみ合ってれば、独創的だの個性的だの言われる。
アイデンティティーとか言われたり。なに茶や?それ?
小さな頃からイイお年頃までのことは置いといて、
20代の後半に家具に出会った。
それまでも自分のやりたいことを、ただ夢中にやってきただけやけど
家具屋になってから、なんだか色々がすごく変わった。
自分がやりたいことをやりたいようにやって、
人に合わせる(自分を殺して)とか一切考えなくて、
ただただ信じることにだけは誠実に必死に向き合う。
生まれて今までただそれだけ、ずっと同じことをやってきたのに
それによっての「摩擦」が無くなった。
本当はあるのかも知らんけど、少なくともそれで困ったことはない。
それまでになかった経験。
自分がやりたいことを必死にやってるだけなのに、それで人が喜ぶ。
その瞬間だけとかじゃなく、ずっとそれを大事にしてくれたりする。
周りが変わったのか自分が変わったのか?
実は特に変わってなくて、たぶん
環境が変わっただけ。
自分がいる場所、自分が付き合う人間、自分が目指す場所、
そういった事と、自分の行動がかみ合ったんやろうね。
つまり環境が変わった。
それは家具のおかげ。
家具のおかげやけど、家具だけが俺の世界とか、
俺は家具だけが人生のすべて、それだけで生きていくんやとか、
まったくそんなんじゃない。
もちろん家具を辞める気もないし、もっともっといっぱい家具のこと
家具に向き合って家具のこと考えて毎日を過ごしてくつもりやけど
それは「家具ありき」ではなくて
心が望む方向に家具があるってだけ。
だから、そうじゃない家具は絶対やらないし
同じ家具って言っても俺にはまったく違うもの。
例えば、他人を傷つける家具とか?
そんなんは絶対嫌やしそんなことをさせられるなら、
しないと家具と関われないなら、
即やめる。
ま、そんな状況はなかなか起きそうにないけどね。
でも戦争でも起きたら違うかもね。
いろんな状況が変わってしまうと
同じことをやってもすべての結果が変わってしまう。
ま、長々書いてきたんやけど
要するに「やりたいことだけやってます」ってだけの話。
それでね、やりたいことってのは当然、他にもある。
見たことのない景色を見たい、とか
サーフィンやってみたい、とか(去年やってみれた)
ほんでその「やりたいこと」ってのはいっぱいあるんやけど
全部を同時にできるわけじゃない。
1日は24時間しかないし。
だからそうしても「やりたい順」に選んでやるわけなんやけど
それがこの2年近く音楽やった。
ていうかバンドやな、俺は自分一人ではようせんし。
おっさん、バンドやってます。
きっかけはあまりハッピーなことではなかったけど
「あっなんかずげーバンドやりたい」って思って、
そこに一緒にやりたい奴がいて、「やろう」ってなってそれからやってる。
俺、歌、上手くないし、音楽理論とか全然知らん。
バンドもずーっと長い間やってなかったし。
「一緒にやりたい」と思える、そして「一緒にやりたい」と
そう思ってくれる仲間がいないと成立しないのがバンド。
だから俺みたいな協調性のない奴は
もう一生バンドはやることないやろうと思ってたけど
ひょっこりそんな仲間に出会って(一応再会になるんかな?)
はじめて1年半を超えた。
1回もライブはしてない。
レコーディングもしていない。
でもほとんど欠かさず週一で集まってスタジオ入ってる。
ずーっと曲作ってそれを何回も何回も練り直しながら
楽しく、でも結構真剣にやってたりする。
なんのために?
そこ!
それがよく分からんかった。
楽しいからやってるには違いないけど、
「きゃー楽しい♪」って時間を過ごすためだけに毎週時間とか取れん。
大阪、東京、淡路島、ほかにもあっちこっち行ったり来たり。
東京からスタジオ入るために新幹線で大阪帰って
東京で外せない用事あってまた翌日東京戻ったりとかもちょくちょくある。
で、なんのために?
正直あんまり分からんかった。
分からんと言うか言葉にできるほど明確になってはなかった。
ただ「やりたいこと」のめちゃめちゃ上位にあったのは確か。
ライブが楽しいから?
目立ちたいから?
そんなことのために2年近くもシコシコやらん。
俺にはそれしかできないから?
いや、仕事してるしなんならめっちゃ忙しいし、
やること、やらなアカンことはめっちゃいっぱいある。
「やりたいから」には違いない。じゃないとやってない。
でも、もうちょっとなんか別の部分でずっとやりたかったし
それがなんなのかずっと考えてもいた。
俺はミュージシャンではない。
でも俺は家具職人でもない。
「家具をつくる」ってことは一生やりたいって思ってるけど
それでもやっぱり俺は家具職人じゃないし、
デザイナーでもないし、
監督でもない。
自分の中の表に出したい感情とか想いとか、
そういったのをカタチにするのに「家具」がすごく合ってた。
カタチは形なようで別物。
「家具を楽しむ」をコンセプトとしてやってきたけど
それは家具屋やから。
俺としては「楽しむ」が本筋。
生きること、暮らすこと、過ごすこと、感じること、
そういういろいろを「楽しむ」ための家具、
だから「家具を楽しむ」をコンセプトにやってきた。
で、なんでバンドやるの?
家具と、仕事と、音楽もまったく同じ。
「楽しむ」が本筋。
生きること、暮らすこと、過ごすこと、感じること、
それをカタチにしたい。
でも、その方法として「音を奏でる」ってのは俺にはできない。
「練習すればできる」とかそんな話じゃない。
自分が「鳴らしたい」と思う音を鳴らすための練習だとすれば
俺が「鳴らしたい」音を鳴らせる頃にはこの世にいないと思うw
それぐらい楽器を奏でるって大変なこと。
だから決してなめてる訳じゃない。
でも、言いたいことはハッキリある。
伝えたいことも死ぬほどある。
生まれて今まで言葉は俺と共にある。
それが、仲間と一緒になら
音に乗せれて音楽になるんやで?
こんなオモロイこと俺には他に思いつかん。
あっ家具以外でねw
家具は言葉ではつくってないけど
思いを、考えを、こだわりを、
ありったけぶち込んで真剣にひとつのカタチを探すってことでは一緒
何も変わらない。
アタマで思い描くけど形にできない要素を
1個1個答えを見つけて現実にしていく。
形じゃなくてカタチができるのはそこまで突っ込んで初めて。
俺はそう思ってる。
で、2年近く経ってそろそろその「カタチ」ができそうな気がしてきた。
40前のおっさんがバンドをやる理由。
ファッションでも反抗でも流行りでもなく、
「俺らはこうやねん」をカタチにする。
家具屋で、社会人で、仕事があって、責任もあって、
そんな中で、いや、むしろそんな中やからこそ、
できるカタチっていうのがある。
と、いうことで、そろそろなんかしようかなって思いはじめてる。
この前ちょっと面白いこと考えついたから
それやりたいなって思ってる。
おっさんだって楽しんでええやん?
おっさんにも夢があってもええやん?
まだまだぼんやりイメージではあるんやけど
「おっさんよ大志を抱け」
そんな感じ。
楽しい楽しい世界を「つくる」のは、結局自分でしかできないからね。
お楽しみにっ!!
甘くない現実をたくさん知りながらも
辛いもん食べながら甘い夢を見る。
楽しい明日はここにある。
家具作りたいおっさん、ROOTS FACTORY代表、兄ちゃんと呼ばれてる、バンドやってる、お祭り大好き、一級船舶免許もってる、お酒好き、食べるの好き、料理好き、阪井信明のブログ
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